2007/12/03

なんだかんだ

目まぐるしい日々を過ごしていました…と11月30日(金)に報告しましたが、なんだかんだ言って結構、読書していましたね。「浅見光彦シリーズ」の他にも読んでいました。

江國香織さんの『ホリー・ガーデン』。

一人の女性が過去に裏切られた恋愛を克服して、再び男性を信じられるようになるまで、を描いた物語と説明したら良いのでしょうか。

江國香織さんの小説を読むと、いつも思うことがあります。彼女の小説は日常生活に視点があり、これを大袈裟に脚色するでなく、多くの人が日常生活を淡々と送っているのと同様にひたすら淡々と書かれていて、劇的な起伏も無く、これまた同じテンポでお話が終了します。「浅見光彦シリーズ」と比較するから余計に際立つのですが、「浅見光彦シリーズ」では物語に起伏があり、読み終わった後に「終った!」と実感することができるのですが(ある種の達成感と言うべきでしょうか)、江國香織さんの小説では「あらっ、終わりなの…」と、ふと終わりが訪れるというか、淡々と終焉するのです。まるでその後に物語が続いていて、主人公の日常も当然ずっと続いていく様にして。それが日常というものなのでしょうけれど。

主人公の日常生活の一場面を垣間見るように、又、一緒に生きる様にして物語を読んでいると、ふと過去の自分や、現在の自分に出会った様な感覚に陥り、ドキリとすることがあります。江國香織さんの小説には、そんな魅力があるように思います。私が江國香織さんに嵌っている理由が漸くわかりました。

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