2009/09/28

北海道旅行 五日目 ランチ

阿寒湖から旭川への移動の途中、道の駅あいおいにて停車、阿寒湖畔のパン屋さん”Pan de Pan”で仕入れてきたパンをham君と二人、頬張りました。”Pan de Pan”のパンは北海道の小麦粉100パーセント。私がいつも行くパンの粉屋さんにも道産の小麦粉が売られていますが、他の小麦と比べるに扱いが別格。そんなに違うものなのだろうかと、疑心暗鬼で見ていましたが…たかが小麦、されど小麦、全然違いました。生地はしっとりモチモチで、噛めば噛むほど味わい深かく美味しかったです。帰ったら早速北海道産の粉を買ってパン作りをしよう!と心に決め、ウキウキのランチでした。

2009/09/27

北海道旅行 五日目 カヌー

朝ごはんをコンビニで買ったアレコレですませ、阿寒ネイチャーセンターに向かう。この日は前々から予約し、楽しみにしていたカナディアン・カヌーの日。釧路川でのカヌーが台風の為にお流れになったので、ham君と二人、なおさら心待ちにしていました。天気は下り坂で前夜から風が強くなっていましたから、再びの中止にならぬよう祈ったお陰か、風はきついが何とか曇り、持ち堪えてくれました。

阿寒ネイチャーセンターからはバスに乗って、カヌーを漕ぎ出す湖畔まで移動。私たちの他に二組のカップルが同じツアーに参加していました。一組は私たちよりも一世代上のご夫婦でカヌーの経験有り、もう一組は我々と同世代のカップルで、その日がカヌーデビューとのこと。ガイドは私たちと同世代の男性、自然をこよなく愛し、自然の中で遊ぶのが大好きといった風。ツアー参加者の私たちと一緒になって遊びつつも、さり気なく阿寒の自然についてレクチャーしてくれる、とても感じの良い青年でした。

生憎の風の為、湖面には波がゆらゆらしており、この日は岸沿いにカヌーを楽しみました。葦原の中をこぎ進んだり、熊が湖に何かを洗いに来た時の跡を見に行ったり、ボートが通った後の波に立ち向かってみたり。岸近くでも十分に遊ぶ。そんな私たちをからかいに来たのか、まさに”こんがりきつね色”のキタキツネと出会う。細身のボディにご自慢の長いしっぽ、とても可愛らしいきつねでした。

二時間のアドベンチャーはあっと言う間に終わり、皆で記念撮影、名残惜しいお別れの時間。期待以上に楽しかった阿寒湖でのカヌー。”また来たいね”ではなく、ham君と私の会話は”次に来た時には…”と、再訪が前提です。

2009/09/26

北海道旅行 四日目 夕食

アイヌコタンの入り口ほど近くにある民芸喫茶ポロンノに て、お夕飯を食べました。お店の間口は案外狭く、戸の中にはどんなスペースが広がっているのだろうかと思い入って行く。夕暮れ時を過ぎ暗くなった店内は、 机毎におかれたランプの光がほんのりと辺りを照らしており、とっても良い雰囲気でした。最初お客は私たちだけでしたが、そのうちにもう一人、一人旅風の男性が入って来ました。私たちのテーブルでも一人旅君の方でもメニューが決まり、それをお店の人に伝える。私たちが頼んだのは次の通り。

鮭のお汁。前日にお寿司屋さんでもいただいたのに…また…と思いましたが、鮭好きの私…諦めきれずに頼みました。これがとても美味しかった!おそらくは塩鮭 のアラの味だけで、その他に調味料で味付けはしていなかったのではないかと思います。塩辛過ぎず、かと言って薄味過ぎず…。今まで塩鮭は倦厭してきました が、このような食べ方があったのですね。一度、作ってみたいと思いました。

名前を失念しました。そして写真が上手く取れず、残念です。これは蒸したカボチャを潰したもの、コーンの他に、おそらくは雑穀など?が混ぜられたものです。 甘い味付けでした。食べた時、「どこかで食べたことのある、懐かしい味」と思いました。それはオートミール。早速、買ってきて作ってみるとビンゴ!とても よく似ていました。

アマムとポッチェイモ。アマムとは右に映っている豆、イナキビ、キトピロの炊き込みごはんのこと。そしてポッチェイモとは左側の物体。これはジャガイモで出来た保存食のことです。先ずはアマム、このご飯はとっても美味しかったです。何とも言えない歯応えと奥の深い味。なんとか普段のご飯で再現できないものかと思います。豆ご飯を炊く時にキビを入れたら少しは近付くのでは…と思案中。因みにキトピロとはギョウジャニンニクのことです。手に入れられないことはないだろうけれど、おそらく高価なので望み薄です。さてポッチェイモ。冬の間、雪の下にジャガイモを入れておき、発酵させて作る保存食なのだそうです。薩摩揚げのようにペチャンコになっているのは、おそらく雪の重みで変形したものと思われます。発酵していますから、非常に独特の味わいでした。ポロンノのHP上で「他にない味」と紹介されていましたが、まさにその通り。これは食べてみないとわからないと思います。ジャガイモの上に乗っているのはバターです。ジャガイモを温めていただくので、バターはトロリと溶けています。

どうやらポロンノは、ご夫婦で経営されているお店のようでした。お店のインテリア、使っている食器、お店で売っている小物など、どれも一つ一つが選び抜かれておりステキな物ばかりでした。阿寒に行く機会があれば、また訪れたいお店です。

2009/09/19

北海道旅行 四日目 アイヌコタン

この北海道旅行で楽しみなことは沢山あったのですが、アイヌコタンに行くことも、その中の一つでした。アイヌの人々がどのような暮らしをしているのか、とても興味がありました。アイヌの人と交流を図れないかと目論んでいましたが、民芸品を売っておられる店主さんと、二言三言会話を交わすくらいが関の山、残念ながらそのような機会はありませんでした。

先の内閣で、とある政治家が「日本は単一民族」発言で謝罪したことがありました。そんなうっかり発言にも見られるように、比較文化を論じる際、日本と引き合いに出すのは外国であるであることが多く、国内にある異文化をその対象にすることは少ないのではないでしょうか。しかし日本にも異文化は存在しています。

日本にある異文化の一つ、アイヌ。不勉強な私の知る限りでも、アイヌの人々は長い歴史の中で、その尊厳を軽視されてきました。アイヌの人々が守り伝えてきた文化、現在にどのように受け継がれているのか、興味があります。今回の北海道旅行で、アイヌ文化に少し触れることができました。これをきっかけに、今後もアンテナを伸ばして日本の中にある異文化について、知り、考える機会を持てたらと思います。

2009/09/14

北海道旅行 四日目 ボッケ

ボッケとはアイヌ語で”煮え立つ”というらしい。阿寒湖畔にボッケと呼ばれる、泥火山が噴出している場所があるというので行ってみました。阿寒の森の中に散歩道が整備されており、ボッケのある場所まで歩いて向かう。渚がそこに見える散歩道からは、泥火山の火口が傍にあるとは思えない静けが漂っていました。しかし、ボッケが近付くにつれ、風にのって硫黄のにおいが漂ってきました。においが濃くなる方へ進むと、ありました、ありました。柵で囲まれた一角、ボッケです。

泥火山と字で書いた通り、泥水がボコッ、ボコッ、と定期的に盛り上がってきます。よく似たのをどこかで見た記憶が…。その時は思い出せませんでした。帰ってから調べたところ、どうやら別府で目にしていたようです。別府では坊主地獄とありました。別府では観光名所らしく大きく柵が張り巡らされていましたが、ボッケでは一応柵はあるものの仰々しくはなく、近距離で見ることができました。

散歩道を歩いていて気が付いたことに、幹に一本スッと割れ目が入っている樹がありました。何とはなしに見ていて気に掛かったことでしたが、後で見つけた掲示板に説明書きがありました。このような樹の幹にある裂け目のことを”凍裂”というそうです。阿寒では、冬になると阿寒湖が凍ってしまう程、冷え込むとのこと。この時、樹が貯え持つ水分が凍ってしまい、これが樹の中で膨張、体積に耐え切れなくなった幹が裂けるのだそうです。幹が裂ける時には、それはそれは大きな音がするのだとか。一度聞いてみたい自然の音です。

のんびりと歩いたボッケまでの散歩道、とっても有意義な時間でした。

北海道旅行 四日目 昼食

両国にて鹿丼を食べました。
思ったよりも柔らかく、ジューシーなお肉でした。
臭みもなく美味しくいただきました。

北海道旅行 四日目 阿寒湖

鮭番屋で美味しい朝ごはんをいただいた後、釧路を出発、北海道二箇所目の逗留地となる阿寒湖へ向かいました。阿寒湖に着き、先ずは遊覧船に乗る。遊覧船は 阿寒湖をほぼ一周するように航路が組まれているほか、阿寒湖内に浮かぶチュウルイ島で、マリモ展示観察センターに15分間立ち寄れるように設定されていま す。私たちが阿寒湖に来た目的の大半はマリモの生態を知ることにありましたから、観光船乗船は外せない計画の一つでした。有難いことにこの日も空は晴れ上 がり、阿寒の美しい山々と輝く湖面を望みながらのクルーズとなりました。

雄阿寒岳

雌阿寒岳

何故、私たちがマリモの生態にそれ程こだわるか、それはham君と私で意見が分かれていたからです。こんなにも意見が相違したのは初めて。まさに夫婦の危機的状況!

ham君は、マリモは転がって他の藻を取り入れることで成長していくとの説を主張してきました。繁殖については自然発生的に藻が丸まっていくとのことでした。このham君説によると、マリモは転がって成長するわけですから、湖の底(=斜面になっている)を転がる、つまり底に近付くにつれてマリモは大きくなる。そうすると、湖底には巨大マリモが生息しているということになります、よね!?

一方で私は、マリモは自ら大きくなっていくと主張。ある一定の大きさになると、分裂して繁殖していく説を固持してきました。

お互い自らの説を譲らぬまま、衣食住を供にしてきましたが、遂に真実を知る時が来ました。そんな夫婦の一大事だというのに、マリモ展示観察センターで過ごせる時間はたったの15分!

真実はこうでした。マリモは胞子の成長によって大きくなり、湖の中で転がることで球形を形作るということです。更に付け加えると、実は「マリモ」とは糸状の藻のことを指していて、まあるい形をしたものではない、ということです。ですから、一本一本の「マリモ」が阿寒湖の特殊な環境の中でたまたま球形を形成した、つまり、私たちが言う「マリモ」とは集合体だったのです。驚きの発見でした。

さて、我々が主張し続けてきた諸説についてですが、五分五分といったところでしょうか、ね。お互い自らの説を撤回、夫婦の危機的状況がめでたく解消された上に真実を知り、ちょっぴり賢くなってチュウルイ島から帰って来ました。


2009/09/13

北海道旅行 四日目 朝食

前日に引き続き、鮭番屋に朝ごはんを食べに行きました。「おはようございまーす」とお店に入って行くと、「おっ、皆勤賞を狙うきだな」と店長。昨日始めて来たお店なのに、ずっと前から通っていたような、そんな空気のある場所です。この日はピカピカのいくら丼、しゃしゃも、はらす、サンマのお刺身をペロリ、いただきました。朝からご機嫌です。

いくら丼の真ん中にたらこを置いてみました

魚が苦手なham君が、「今日はししゃもを食べる」と言い出したからビックリ!私ははらすを食しました。こんなに美味しいはらすは生まれて初めて!スモークしてあるのです。ですから、油も良い具合に落ちているし、なんといっても風味がとってもよろしい!お取り寄せしたい一品です。

北海道旅行 三日目 温泉&夕食

釧路湿原に点在する方々の展望台を、一日中かけて満喫した後、山花温泉にて疲れた足を癒しました。宿泊施設も併設された温泉でしたが、私たち同様日帰り温泉として利用している人が多いようでした。シーズンオフということもあってか観光客はまばら、地元の方が殆どでした。

たまたまお話させてもらった地元の女性も、頻繁にお湯に浸かりに通っていらっしゃる様子でした。

せっ かく地元の方とお話できる機会がありましたので、北海道に来て以来、気になっていたことを訪ねてみました。それは学齢期の子供たちのことです。彼らはどの ようにして学校に通っているのか、というのが私の質問。見渡す限り湿原の釧路、学校らしき学校をあまり目にしなかったので、不思議に思っていたのでした。

地 元の女性のお答えは次のよう。分校が統合される方向で進んでいる現在、義務教育の範疇ではスクールバスが整備されているのだそうです。高校になると、街行 きのバスが出る停留所まで、親が自動車で送り迎えをするということでした。遠くから通う子供たちは、通学に時間がかかる為に部活動はできないそうです。

毎 日、送迎をする親の苦労は図りしれませんし、思春期の子供にしても親頼らずして学校に通えないのもまた、気苦労の耐えない話だと思いました。便利な都会に 住んでいたら、家族が何をしているのかわからない程に関わりが希薄な家庭もある中、釧路ではお互い関わらずしては生活できない現状があるのです。

このような場所で生活していると自然と他者の立場を考え、他者を思いやる気持ちも育つのではないかと思いました。これが原因してか、釧路で出会った人たちは、その年齢の如何に関わらず、皆さんとても温かみのある方々だとの印象を得ました。

そんなことを考えつつ、ゆったりとお湯に浸かった後はお楽しみのお夕食。この日はなごやか亭、回転寿司にていただきました。鮭のあら汁に始まり、釧路産トロサンマ、炙りトロサバと、二人して次々に、たらふく食べました。blog用に写真を撮ろうと思っていましたが、カメラの存在を覚えていたのは最初の2、3皿。その後は食べることに一生懸命でした。本当に美味しかったです!

鮭のあら汁

釧路産トロサンマ

炙りトロサバ

2009/09/12

北海道旅行 三日目 湿原で出会った動植物

釧路湿原のいたる所で目にしたのが秋田蕗。最初はなんという植物なのかわからず、蕗のお化けみたいだな…茎のしっかりしているところはルバーブみたいだな… 雨が降ったら傘になるかも…などと思い巡らしていました。国立公園内にある散歩道や施設などで説明書きを探しましたが見つけられず、謎のまま旅を終えるこ とになるかと思っていました。一日の終わりに訪れた細岡ビジターズラウンジで、偶然出会った男性に秋田蕗であることを教えていただきました。私の発した「傘にな りそうですね」の一言に、その男性は「小さい頃はよく傘にして遊んだよ」といっておられました。皆、考えることは一緒なのですね。

綺麗な紫色の花もよく見かけました。濃すぎず薄すぎず、とても綺麗な紫色だなと思いました。また、ふわっとした花びらが可愛らしくも思えました。手折って帰り たいものだと思いましたが、なにぶん旅の途中でから飾る場所もありません。押し花にすることも考えましたが、道具も満足にありません。そんなこんなで結局、自然の姿を見て楽しむことに徹しました。後から聞いて知ったのですが、これはあの猛毒を持つトリカブトだったのだそうです。 うっかり手折って帰らなくてよかったです。

細岡ビジターズラウンジへ向かっている途中のこと、木々の間から茶色くて長い、そしてふんわり としたものを目撃しました。思わず息を呑みました。最初、キタキツネだと思ったのですが、それにしては茶が濃い。驚きと興奮の中、ham君にも知らせて様子を伺っていると、それはどうやらリスのようでした。私とham君がカメラ片手にそろりそろり近付いていると、その姿を見た地元の男性が「エゾリスだねぇ」と、 これまた興奮を押し殺して近付いて来ました。暫くは餌付けしてあるひまわりの種をモグモグと食べていたエゾリスでしたが、我々に気が付いたのか、足早に森の中へと帰って行きました。男性によると、最近では地元の人でもエゾリスを見る機会は少なくなっているのだとか。私たちは余程ラッキーだったのだと思いま す。あまり近付くと逃げやしないかと思い、デジタルズームで写真を撮った為、画質の悪い写真しか残すことができませんでした。


エゾリスを一緒に見た男性の方も自然をこよなく愛する一人だったようで、先にもご紹介した秋田蕗のことを教えて下さったり、丹頂がいた場所を教えて下さったりと、何かと親切にしていただきました。どうやらお仕事の最中だったようで、忙しそうにしていらっしゃいました。時間が許せば、ゆっくりとお話をしてみたかったなと思います。旅の出会いは一期一会。エゾリスに出会えたことも、地元の方とお話が出来たこともとても素適な思い出です。

エゾリスを一緒に見た男性が教えて下さった、丹頂がいる場所に行きました。長いくちばしで餌を啄ばんでいました。丹頂は一生同じ番いと過ごすとのこと。私たちが見た丹頂も、二羽で仲良く行動していました。この丹頂たちを見たのは午後でしたが、実は同じ日の午前中にも私たちは丹頂を見ています。この時は一羽、空に向かってくちばしを擡げ、悲しそうに鳴いていました。たまたま出会ったおばさんの話では、この丹頂の番いは、最近出来たレストランの屋根にぶつかり、羽根を追って墜落、狐にやられてしまったのだとか。鳴いていた丹頂は自分の番いを探し、毎日、相棒が亡くなった現場に足を運んでは、悲しい声で鳴いているというのです。鳥の話として聞き流すことができず、胸が痛く絞め付けられる思いでした。美しい鳥だと思います。右の写真もエゾリスのとき同様、画像があまり綺麗ではありません。近付いてカメラを構えることで、せっかく二羽が幸せそうに餌を啄ばんでいるのを邪魔したくなかったのです。こっそりとその姿を見せてもらい、二羽のお邪魔にならないうちに帰って来ました。

北海道旅行 三日目 釧路湿原展望台巡り

台風一過のこの日、レンタカーを借りて釧路湿原にある展望台を巡って来ました。

一番最初に釧路市湿原展望台に行きました。展望台のある建物を起点に約3kmの散歩道が整備 されており、ここを散策しました。つり橋あり、木道ありのこのコース、旅行前にプリントアウトしておいた地図にはアップダウンについては何も記されていま せんでしたので、平坦な道が続 いているとばかり思っていました。ところが実際に歩いてみると登ったり下ったりの激しいこと!朝っぱらからたらふく食べたお腹には堪えました。しかし展望 スペースに出てみると気分爽快!一気にしんどさは飛んで行きました。

北斗展望台から釧路湿原を望む

二番目に温根内ビジターセンターを 訪れました。展望台の散歩コース とは異なり、最初から最後まで平坦な木道が続くコースでした。釧路湿原の生態を間近で観察できるということでしたから、谷内坊主などの珍しい自然を見るのを楽しみにしていました。ハンノキ林の木陰を通り抜けたり、木道の下に泳ぐ小魚を覗き見たりと、最初のうちは国立公園 の自然を満喫していました。ところが…行けども行けども同じ景色の道が続く、続く。湿原を初めて見たときの感動は早くも過去のものと化し、まだ終 わらないのかな…という気持ちが頭を擡げます。このコースを歩き始めたことを後悔し始めた頃、漸く折り返し地点を迎える。人っ子一人いなくなった木道を二人、ひたすらゴールを目指しました。

温根内木道にて

三番目に訪れたのはコッタロ湿原展望台。ここでいいのかな…と不安になってくるような場所に駐車場があり、そこから永遠に続くのかと思われる階段が続いていました。階段を登ると一旦は開けた場所に出るのですが、展望台と思しき場所はありません。その先に登るか、ここで満足するのか、なんだか試されているような広場を経て、更に歩を進めると展望台が見えてきます。そこに広がるのは湿原らしい湿原。やっぱり登って来て良かったとその景色に満足する。コッタロ湿原の青と空の青がとても綺麗でした。

コッタロ展望台からの風景

四番目にはサルボ展望台、サルルン展望台に 行きました。釧路湿原展望台、温根内ビジターセンターの歩き良い木道に慣れた後では、釧路湿原国立公園の展望台は何処も整備されていて、観光気分でふらり訪れることができると思いがち。しかし!サルボ・サルルン展望台は違います!ちょっとした登山の様相を呈していまし た。私たちはスニーカーを履いていましたから問題なく展望台に辿り着きましたが、サンダルやヒールの方々はご苦労なさったのではないでしょうか。恐るべし サルルン・サルボ展望台、です。ただ、やはり苦労して高いところまで登った甲斐があり、そこからの景色は一風違った素晴らしいものでした。

サルボ展望台より
塘路湖と四つの沼(サルルントー、ポントー、エオルトー、マクントー)を望む

サルルン展望台より
塘路湖と四つの沼(サルルントー、ポントー、エオルトー、マクントー)

五番目、最後の絶景ポイントは、夕日が美しい展望台として有名な細岡展望台でした。私たちが向かった時間は日没には早かったものの、日は大分と西に傾いていました。ここは釧路川に一番近い展望台です。蛇行する釧路川の川面に西日があたり、湿原の中をとうとうと流れる様子を見ることが出来ました。前日の天気が良くて、ここでカヌーが出来ていたのならば、どんなに素晴らしかっただろうと思わず溜息。この河でのカヌーは次のお楽しみにと、この時は雄大な自然を目に焼き付けました。

細岡展望台にて

一日に計五つの展望台を巡ったこの日、釧路湿原を色々な角度から見ることが出来ました。今まで私がイメージしていた日本とは違った日本がそこにはありました。まだまだ知らない日本がある、これを知りたいという思いが大きくなった一日でもありました。

2009/09/09

北海道旅行 三日目 朝食

我々の旅では、現地での食事も旅の大きな目的としています。ですから宿泊は格安で済ませ、食事はあちこち食べ歩くことが殆どです。今回も然り。

一回目の和商市場に続き、この日は鮭番屋にて朝ごはんを頂きました。鮭番屋は阿部商店の工場直売店です。こういう物言いが適切かどうかわかりませんが、要するに後ろ盾が大きいからでしょう、個人のお客に対して商売っ気を出して対応する店員さんがいませんでした。ですから気楽にお店の人とも話せましたし、また好きなように商品を選んで食べることが出来ました。その上、お味が並みではない!私たちはとっても気に入りました。この日いただいたのは秋刀魚、鮭、そしていくら丼です。

この朝のお客は私たちともう一組のみ。他の一組は私たちが食べ始めるまでに帰ってしまわれましたから、まさに貸切状態。そんなこともあってか、わざわざ店長さんが私たちの炉端に来て焼いて下さいました。そのときに色々と魚の話を聞くことが出来ました。中でも興味深かったのは秋刀魚の価格について。通常スーパーで並んでいる秋刀魚は、水揚げ後直ぐに工場に入れ、そこで機械によって選別するのだそうです。その為、秋刀魚が傷んでしまうとのこと。ところが、鮭番屋の秋刀魚は(左上写真)、漁船の上で発泡スチロールに詰めで届くので、傷みが格段に少なく鮮度も落ちにくいということでした。鮭番屋はもちろん後者の方で仕入れています。値段を比較すると、我が家の近所のスーパーで買うと一匹98円くらい、鮭番屋で食べた秋刀魚は一匹300円!でした。確かに私たちが食べた秋刀魚は、ぷりっぷりで身もしっかりしていました。今まで食べてきた秋刀魚とは全く違っていて美味でした。

2009/09/08

北海道旅行 二日目 夕食

パンをたんまり買い込んで、ホテルの部屋へ戻り暫し休憩…と思い窓の外を見ると、なんと!雨風が治まりつつあるではありませんか!驚きと同時に「外食できるかも!?」という思いが浮上した私たち。お昼がラーメンでお腹が空くのが早かったこともあり、パンをおやつとして食べることにしてしまいました(太って帰るはずです…)。そして夜ご飯には、またしても釧路ラーメンを食べに行きました。今回はガイドブックにも載っている河むらというお店。もちろん頼んだのは醤油ラーメンです。魚一のコクがあるラーメンに比べると、あっさりと優しいお味。ラーメンに限りなく近いお蕎麦とでも言いましょうか…。ガッツリとラーメンを食べたいと思って来ると肩透かしを食らうかもしれない、そんな感じでした。しかし、お出汁がしっかりと出ているスープは流石!味わい深かったです。

北海道旅行 二日目 おやつ!?

釧路市博物館からの帰り道、あまりにも雨風が酷いので外食するのは無理と判断、レフボンという駅構内にあるパン屋さんに立ち寄りました。食料を調達する為です。お店の中には見るからに美味しそうなパンたちがずらり。色々と買いました。


メロンパン。しっとりもっちりした感じの食感でした。化学調味料の味は感じられず、美味しかったです。

残念ながらパンの名前は失念。フランスパンの中に長いソーセージが包まれています。何と言ってもフランスパンが美味しかった。外は固くて中はもっちりしていて最高でした。そしてそれだけではなく、ソーセージも美味でした。

スコーン風のパン。これも名前を忘れてしまいました。見た目はまるっきりスコーンですが、本来のスコーンのようなサクサク感はなく柔らかかったです。中にオレンジピールが入っていました。パン自体は美味しかったですが、サクッとしたスコーンを期待して食べたので拍子抜けでした。

カマンベールチーズとクルミのカンパーニュ。あまりの美味しさに感激しました。もっちりどっしりとしたパンの中に、とっても美味しいカマンベールチーズが入っているのです。毎日食べたいと真剣に思いました。

くろすけ。チョコレート好きの私にはたまらないお味と見た目の可愛さ。おそらくはドーナッツの穴の部分だと思われます。小さいのに一丁前の値段でした。美味しかったです。

これはパンではありません。和商市場で買ってきたざんぎ。ざんぎとは北海道の方言で唐揚げの意。言い方が違うから味も違うのかと思い、ham君にお願いして買ってもらったのですが、何のことはない普通の唐揚げでした。

北海道旅行 二日目 釧路市博物館

台風の為にカヌーをキャンセル、その為に時間が空いた午後の時間で釧路市博物館に行って来ました。釧路駅からバスが出ていましたが、ham君の傘が簡単にポキリ 折れてしまう程の暴風雨、タクシーで向かうことにしました(二人だけでタクシーに乗ったのはこれが初めてかもしれません)。過大な期待を抱かずに計画した博物 館鑑賞でしたが、とんでもない!二人してかなり時間をかけて観て周り、充実した展示の数々をとても楽しみました。特に私たちの関心を惹いたのは釧路湿原の自然に ついてのコーナー。湿原の生い立ちから始まり、そこに生息する動植物についてなど、非常に丁寧に説明されていました。一際目を惹いたのは数々の剥製たち。小さい のでは昆虫から、大きいのはヒグマまで展示されていました。あまりの剥製の数に、なんとなくドギマギするくらいでした。もちろん齧歯目(げっしもく) の仲間たちも大勢(!?)展示されていました。これにはham君のテンション上がる。じっくり観て周っていました。二人して予想以上に満足した博物館鑑賞でした。雨でなくても行く価値 あり、と私は思います。

博物館の窓からの風景をかなりズームして撮りました。家々が立ち並ぶ湾に押し寄せる大波、お分かりいただけるでしょうか。海のない場所で育った私には、非常に珍しい光景でした。自然は怖いですね。

北海道旅行 二日目 昼食

釧路川をカヌーで下る予定をしていたこの日、昼食はカヌーの出発地点に程近い塘路駅近くのイタリア料理店でいただこうと思っていました(塘路駅付近の数少ないレストランの一つ)。しかし、既にご存知の通りの悪天候によりカヌーは断念、その結果、お昼ご飯を塘路で食べる必要がなくなりました。天気の様子を見ていると夜に外出できる保障がなかったので、夕食につもりしていた釧路ラーメンを前倒ししてお昼にいただくことにしました。

本来ならば暫しの時を過ごす塘路駅を、乗ってきた同じノロッコ電車で釧路駅まで引き返す。

釧路駅のインフォメーションにて駅に近いラーメン店を教えてもらいました。私たちのお腹と舌を満足させてくれたお店は魚一というラーメン屋さん。魚醤で味付けしてあるラーメンでした。あっさりした中にもコクのある美味な一品でした。魚醤というとナンプラーやヌックマムのような独特のにおいを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、魚一の魚醤は癖がありませんでした。私はナンプラーもヌックマムも大好きなので、例え個性的なにおいがしたとしても大歓迎だったと思いますが、強烈なにおいを苦手とされる方でも魚一の魚醤ならば大丈夫なのではないでしょうか。ご主人が「日本人はにおいが嫌いだから…うちのはにおいないよ」と言っておられ、魚醤を作るのに相当研究を重ねられたようでした。今回、北海道で食べたラーメンランキング、第一位のお味でした。もう一回食べに行きたいです。

北海道旅行 二日目 釧路湿原ノロッコ号

一度は払い戻しを考えた釧路湿原ノロッコ号でしたが、払い戻し窓口の駅員さんが「悪天候でもそれなりに楽しめるし、払戻金が少ないことを考えたら乗った方が得!」と教えて下さったので、予定通り乗って来ました。JR釧路駅からJR塘路駅までの区間を走るノロッコ号は観光目的の列車で、電車が絶景スポットに差し掛かるとスピードを落として走ってくれる他、車内アナウンスで釧路湿原についての説明を聴くことができます。列車は通常の車両と展望車両からなっています。展望車両は天候がよければオープンカーのようになるのでしょうが、何度も言うように私たちが乗車した日は台風が近付く最悪の天候でしたので、窓は締め切りになっていました。吹きすさぶ風が窓を揺らし、雨が窓を伝って流れるなかの乗車でしたが、それでも乗った方が断然良かったです。もちろん晴れていた方が景色は何倍も素晴らしかったでしょうが、他の交通手段では行くことのできない釧路川のが蛇行する様子を間近に見られたのは、本当に貴重でした。

写真を撮ってもこの天候では綺麗なものは撮れないと鼻から諦め、如何に雨風が凄かったかがわかるだけの枚数を撮るに留めました。本当に物凄い悪天候だったのがわかっていただけるかと思います。ここは釧路川が蛇行しているポイントです。釧路川は一級河川にもかかわらず高低差が非常に少なく、その水の流れはとうとうとしています。その為、ダムも作られていません。日本の河川としてはとても珍しいと思います。

2009/09/07

北海道旅行 二日目 朝食

一夜明けると外は雨。傘を差して出歩けそうでしたから、徒歩5分のところにある和商市場に朝ごはんを食べに出かけました。和商市場にて勝手丼を食すというのも、私たちの旅行の大きな目的の一つでした。勝手丼とは、先ずご飯屋さんでご飯を買い、そのどんぶり片手に市場内を巡り、魚屋さんで欲しいネタを欲しい分だけ購入、どんぶりの上に乗せてもらうというシものです。規模の大きなバイキングと説明するとわかり良いでしょうか。勝手丼のそもそもの始まりは、ある店がいくら丼とたらこ丼を販売したところことに遡るのだとか。それが今では商業ベースに則り、観光客相手の目玉スポットとして人気を博するようになっています。

我々はご飯に酢飯を購入、ham君はその上にたらこを、私はいくらを乗せてもらいました。お刺身は温かいご飯の上に乗せてなまるのが嫌でしたから、別々の容器に入れてもらいました。さんま、たんたか、甘エビなど、釧路でしか食べられないものを選んでいただきました。普段あまりお刺身を大量に食べない私たちですが、どれもこれもとても美味しく、文字通りペロリと間食しました。贅沢な朝食、大満足の台風の日の朝でした。

2009/09/06

北海道旅行 一日目 夕食

関西国際空港を14時過ぎに発ち、北海道はたんちょう釧路空港に到着したのは午後17時過ぎ、そこからバスに乗り継いで釧路市内に向かいました。大きなてる てる坊主を作ったけれど、やはり天気を変えるのは無理だったようで、悲しいかな台風は順調に北海道に近付いていました。既に釧路市内ではその前兆が見られ、空はどんよりしていました。

ホテルにチェックインした後、雨が降り始めないうちに夕食を食べに出ることにしました。飛行機の中から釧路ラーメンを食べるのを楽しみにしていたのですが、天候に左右されるものを繰り上げることにして、翌日に予定していた岸壁炉端に行きました。釧路フィッシャーマンズワーフの隣にある岸壁炉端は、その名の通り釧路港の岸壁に建っています。当日はけっこうな風でしたが、お店は大きなテントで覆われており、雨風をしのげるようになっていましたので、リラックスして食事をすることができました。

テントの中には四軒のお店が並んでおり、予め購入した食券を払って食材を購入(お店屋さんごっこみたいで面白かった!)、自分たちに用意された炉端で焼きま す。時折覗きに来てくれるスタッフが焼き具合を確認、ひっくり返したり調味料で味を整えたりしてくれます。そして焼きあがったら「いただきま~す!」。私 たちはサンマ、ホタテ、ハラス、コマイ、ホッケ、スルメイカをいただきました。

たまたま相席し、同じ炉端を分け合ったカップルも旅行で訪れていました。彼氏の方は私と同じ関西出身でしたから何となく心安くなって、自然とお互いの旅の話を始めました。旅の終着点として釧路を選んだ彼らは、出発点に釧路を選んだ私たちに多くのアドヴァイスをくれました。その夜のお食事では、色々な食材を少しずつ食べたいとの思いは同じだったようで、それぞれに買って焼いた魚介類を少しずつお裾分けをしました。このような一期一会も旅ならでは、ですよね。とても良い思い出です。

その日の岸壁炉端に居合わせたお客さんは30人程度。観光シーズンも終盤に近付いた時期だったこともあり観光客は少な目、地元の方が殆どでした。中にはロシアの船員さんたちの姿も見られました。幸運にも私は暫し談笑する機会を得ました。3人のロシア人男性は、貨物船でウラジオストックより2ヶ月間をかけて日本に航海して来たと話してくれました。あと5日で国に帰ると3人とも笑顔でした。日本の隣国というと韓国、中国が思い浮かぶ私ですが、ロシアもそうであることを身をもって体験しました。

一日目の夜から、とっても充実した時間を過ごしました。