だいぶん前にいとこのN君から借りていた、島田紳助氏の『えせ田舎暮らし』を漸く読み終わりました。島田紳助氏が長年夢見てきた田舎暮らしを実現するまで、又、実現後のエピソードを綴ったものでした。都会で暮らしてきた島田家が急に田舎で暮らすようになり、公共交通機関が十分に整っていないことから、子供達の通学に不便が生じたこと、冬季の雪解け作業の大変さ、夏季の草むしりの過酷さ、家の中に虫が出るわ、畦道に蛇がいるわ等々、都会ではありえない環境に、最初の一年は驚きばかりだったようです。しかし、その驚きや不便さが家族の絆を深め、一丸となって生活していくという姿勢ができたと、田舎暮らしの恩恵について強く述べてありました。
私は正真正銘の田舎育ちです。もちろん公共交通機関は限られており、と言うか、むしろ皆無に等しく、駅まで自転車で30分は当たり前でした。その上、豪雪地帯でしたから、冬は通常の日よりも何倍も早起きして歩いて駅まで行き、学校に通っていました。
夏になると、家の中にはムカデ、蛇、カブトムシ、ギンヤンマ…ありとあらゆる虫達が出てきます。ムカデ対策で、靴を一旦、叩いてから履くのは常識。お風呂など湿気のある場所に入る時には、ドアを開けてから、蛇やムカデが落ちて来るのを待つ為に、若干の間を作って自己防衛をしていたものです。虫だけならともかく、自宅の縁の下にアナグマが住んでいたこともありましたし、狐は家の敷地内を通り道にしていたようでした。更に、裏山にサルの大群がやってきたこともありました。そんな田舎でしたから、遊びといえば夏は魚とり、冬はそりと、暗くなって母親が呼びに来るまで、ひたすら外で遊んでいた記憶があります。
生活は電気、水道、ガスとライフラインはもちろん完備されていましたが、父親の趣向により、お風呂は蒔きで沸かすものに改造したり、暖房器具は火鉢や蒔きストーヴを使っていました。又、井戸もありましたから、夏になるとここでスイカを冷やしたりと、これも活用していました。どちらかと言えば、便利な物を容易く使う生活から、徐々に自然に頼る(=不便さを伴う)生活へと変更されてい我が家でした。このへんは島田紳助氏が都会から田舎へ移ったあたりと、規模は違えど重なる部分かもしれません。もちろん不便でした。けれども当時の私の日記を読むと、季節感溢れる言葉が散りばめられており、幼少期をそのような環境で過ごせたことは非常にラッキーだったと言わざるを得ません。アウトドアが趣味に加えられる現代ですが、私の幼少期の日々は、生活自体がアウトドアでした。
田舎での生活はもちろん良いところもありますが、時に閉塞感や束縛と言いましょうか、柵があったりもします。季節の移り変わりを感じつつ、体を動かし汗をかいて生活することは素晴らしいですが、実際の生活には色々あるものです。その後、大都会にも、そこそこ都会でも住む機会を得た私ですが、何れをとっても一長一短はあるもの…。私は将来にどんな選択をし、どこに住むことになるのでしょうか…。
色々考えた一冊でした。
4 件のコメント:
お久しぶりです。
なまけていてmixiに入るのもかなり
久しぶりです。
開いたら「田舎暮らし」でした。
私のテーマです。
びっくりしました。
まだ結婚していないけど家庭菜園しながら
不便なところで一致団結した暮らしがしたい
と思うこのごろです。
そんな私にあう人はいるのかしら。
>めがねうさぎさん
本当にお久しぶりです!どうしておられるかと思っていました!
「田舎暮らし」テーマですか!雑誌の『ku:nel』とか『天然生活』とかでよく「田舎暮らし」の記事を読んでいましたが、私が思うにポイントは場所ではないかと…。風通しの良い人間関係が築ける田舎…、理想ですね。
素敵な人と素敵な暮らし、実現した暁には”およばれ”に行きますからね~。
アウトドア過ぎるのもちょっと・・・
今のような場所もちょっと・・・
私にとっては草津くらいが一番いいなと最近つくづく思います。
少し行けば、ホタルが見れて山も湖も川も☆
最近、暑くて夜に窓を開けているのですが
車の騒音がうるさくて、実家での静けさが懐かしいです。
>kovaちゃん
本当に住む場所の選択って難しい…。たまたま私は、とてつもなくアウトドア・ライフを満喫できる場所に育って、これはこれで楽しかったけれど…。他を知らず、それが当たり前だったから、不便も苦にならなかったのかもね。でも、一旦、都会を知ってしまうと、やはり便利さにはかなわない部分もあるかも…。
確かに草津辺りは京都、大阪までも遠くはないし、自然も少し行けばあるし、かと言って不便ではないし、良い場所よねぇ…。
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