2007/09/23

弘法さん 9月21日

久々にぶらり『弘法さん』 に行きました。毎月21日に京都は東寺(教王護国寺)で催される市です。学生時代には足繁く通った時期もあったのですが、最近では随分とご無沙汰 していました。一時期よりは暑さもましになりましたし、気分転換にぶらり行ってみるのも良いかな、と思い立ったわけです。

一人でのおでかけですので、家のことをしてから身支度をしてと、気儘に時間を使って、東寺に到着したのは丁度お昼頃。暑さがましになったとは言え、当日はとても天気が良く、まだまだ残暑厳しく…というのがピッタリ。水分補給をしたかったこともあり、まずは軽食を取ることに。屋台も沢山出ていて、焼きそばか、たこ焼きか、お好み焼きか…と迷ったのですが、巨大たこ焼きを売っている店を見付けてしまい、迷わず購入。外側の皮がカリカリッとしていて、中はホワッ、タコも大きく美味でした。

『弘法さん』では境内の至る所に、様々な店が軒を連ねています。布、手芸用品、洋服、着物(以前よりも着物を売る店が増えていました)、雨ガッパ、下着、靴下、陶器、籠、箸、食器などな ど、日用品を売る店から、鎧や兜、古銭、絵皿などの骨董品を売る店、手作りアクセサリーや手書きの絵を売るアーティスティックな店、花、木、盆栽などの園芸屋さん、お茶、和菓子、駄菓子、カキ氷、たこ焼きなど、食べ物屋さんといった具合に、本当に沢山のお店が境内の中、お寺の周囲の道にまで、それこそ所狭し と並んでいます。新品の物を売るお店、通常のお店では出せないキズモノを破格の値段で売るお店、「それ、どっから拾って来たの?」といった摩訶不思議な物体を売るお店、骨董品なのか、ただ単に古いだけなのかよくわからない物を並べるお店(通の人に言わせると掘り出しものもあるのだとか)、一つ一つのお店にあまりにも特徴があり、何を買わずとも十二分に楽しめるのがこの市の面白さ。

また、店先で売り子さんとお喋りをするのも楽しみの一つ。

NY で買い付けた小物を使って、アクセサリーを作っているという女性と店先で一頻りお喋り。その女性は「鍵」をモチーフにした作品を沢山作っていま した。彼女が子供だった頃、学校から帰っても必ず自宅には人がおり、自分で鍵を開けて家に入る必要はなかった為、当時は、所謂「かぎっ子」と呼ばれた、鍵を首から提げた友達に憧れの心を抱いてたそうです。それが、「鍵」のモチーフに至ったきっかけだったとか。

お兄さん2人で店を出しているところでは、ちょっと面白いNIKKOの お皿を発見。お兄さんが陶磁器の説明をし始めたことからお喋りが広がり、他の売り物も見せてもらうことに。そしたらなんと!お皿をディス プレーしている机も売り物なのだとか。「全国、どこでもお届けに参ります!」とのこと。その他、着物、本などが置いてあり、「いろいろ置いておかないと売 れないんですよー」と、商売っ気のカケラもない笑顔でカラッと言っておられました。一体、何をして生活をしている人たちなんだろう…。



一 通りお店を見終わった後は、金堂と講堂にお参りをしました。300円の拝観料で入場できます。金堂には薬師如来坐像、日光、月光の両脇侍菩薩像が安置 されていました。ひんやりとするお堂の中で、木の椅子に腰掛け、暫く仏様を見ていました。薬師如さんの光背上(仏像の後ろにある葉っぱみたいな形の壁?背 もたれ?様のもの)には7人もの小さな仏様が薬師如さんを囲むようにしておられました。台座の下には、『Saturday Night Fever』ばりに「イェーイ!」とポーズをしておられるようなお方、「シェー」を しているようなお方など、色んなポーズをとった十二神将像が配されてありました。講堂には大日如来さん、五智如来、五菩薩、五大明王、四天王、梵天、亭釈 天の二十一軀の仏像が安置されていました。亀に乗った方、像に跨っている方、鶴の上に座っておられる方、鬼の上に立っておられる方、ここにも、それはそれは様々な方々がおられました。

これらは全くもって正しくない仏像の観方だと思われますが、じっくり観ていくと仏像も本当に色々で見ごたえがあります。大 いに仏教を信仰されている方からしたら、私はあまり感心のできる参拝者ではありませんが、だからと言って全く信仰心がないわけではなく、それぞれの仏様の前で手を合わせてお堂を出ました。商業ベースに則った宗教には疑問を感じる私ですが、やはり生まれ育った環境が影響してか、自然と宗教観の様なものを持ち合わせているところはあるみたいです。仏像崇拝にはあまり拘りませんが、仏教については興味がある、というところでしょうか。しかし、ま だ知識は浅く、色々と知りたいと思っています。

お堂を出た後は、講堂、金堂、五重塔をぼんやりと眺めていました。影に入って座ってじっと眺めていると、すーっと心地よい風が通り抜け気持ち良かったです。先の東京旅行でも、東京ミッドタウンで建築物を眺めつつぼんやりしていた旨を書きましたが、日本建築 も規則正しく、また、壮大で素晴らしく美しいと思います。どうでしょうkovaちゃん、機会があれば是非、日本建築をぼんやり観る会、いかがですか。

講堂

金堂

五重の塔

今回の市で手に入れたものは、先日の東京旅行での馬喰町の問屋街で買いそびれた(?)リッパー、そして3/0~4/0の料鈎針、2つで400円也。たぶん安いと思います。その他、母方祖母に生姜の砂糖漬けをお土産に買いました。ぶらぶらと時間をかけてお店を観て回ったわりには買った物はちょっとです。御朱印も忘れずに頂いて来ました。既に弘法大師さんの御朱印は頂いていましたので、今回は薬師如来さんのを書いていただきました。


東寺の境内にはひっそりと彼岸花が咲いていました。お彼岸ですね。暑さ寒さも彼岸まで、虫の声、高い空、日陰の涼しさ、そろそろ秋の気配が感じられる、そんな今日この頃です。

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