2009/07/07

一方で…


赤川次郎氏の「三毛猫ホームズ」シリーズにはまっている一方で、「フランス」にもはまっています。「フランス」と一言に言っても色々とあると思いますが、私の場合は文化について興味津々というのが一番当てはまりそうでう。以前にも佐藤絵子さんの著書を読み耽ったことがありましたから、差し当たって今回はフランスブーム第2段とでも言いましょうか。前回がフランスと日本のミックスとして生まれた著者による書籍だったのに対して、今回はフランスで長期間生活をしていた日本人の方のエッセイです。佐藤氏の著書ではご自身のバックグラウンドを活かし、フランス人的な視点に立って書かれていましたが、今回は日本を基準にフランスを観るといった視点でした。吉村氏が自身の目を通して見てきたフランスは勿論、お子様を通じて見聞きされたことも綴られており、非常に興味深い本になっていました。全体を通じてベースになっていたのが、やはり個人主義というのでしょうか、個人を大切にするお国柄だということでした。そしてこれに付随し、自分の意見を伝えることの大切さについて、何れの本でも書いておられました。加えて、日本人がこれに慣れていない状況への言及も忘れておられませんでした。他には、吉村氏がパリで生活していく間に、フランス人の合理的な生活の仕方に幾度と無く驚かれたエピソードも綴られていました。それこには思わずププッと笑ってしまうような箇所もありました。日本でならば、日本人ならば、恥じらいを感じてしまったり、又は他者の目を気にしてしまうような行動も、自分が合理的で良いと信じていていれば迷い無く実行するフランス人、文化の違いを感じられたのでしょう。更にはフランス人が如何に私生活を楽しむ能力に長けているかも、ご本人の体験を通して語っておられました。バカンスの為に働くフランス人の生活を詳しく書くことで、「働き蜂」という別名で呼ばれることもある日本人との差がより明確に表されているように感じました。私は読んでいて大いに納得すると共に、自分が今の生活で疑問に思い首を傾げていることを浮き彫りにされたように感じました。そして私が欧州に住んで経験したこと感じたことを懐かしくも鮮明に、又、昨日のことのように思い出しました。私の場合はたった数年の欧州生活でしたが、そのような短い間にも、日本とは全く異なった価値観を身に付けてきた現実を改めて感じずにはいられませんでした。

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