金沢の街をぶらり歩いていると、そこここで素適な建物と出会うことができます。建設当初の役割を終え、ギャラリーとして公共にその活躍の場を移した建物が多いようですが、日々の暮らしの中で現役バリバリで使われているものも少なくありません。
ガイドブックにも載っていた『ギャラリー三田』。通常の町並みのなかにポツネンと佇んでいました。1930年(昭和5年)に建てられた洋館で、文化庁登録有形文化財に登録、また、金沢市指定保存建造物に指定されています。この建築物は昭和初期の洋館建築を忠実に修復しています。我々が近くを通りかかったのが、ちょうど街に灯りがともり始める頃でしたから、残念ながら建物に施された装飾などは良く見ることが出来ませんでした。また、次のスケジュールの関係で近くまで歩み寄る時間も少なく、遠くからの見学に留めました。ギャラリーの窓から見える温かみのある灯りが、とても素適でした。
『金沢文芸館』もガイドブックに載っていた建物の一つです。この建物も文化庁登録有形文化財に登録、また、金沢市指定保存建造物に指定されています。1929年(昭和4年)に建築されました。当時は銀行だったそうです(旧・石川銀行橋場支店)。それを金沢市が修復し、文芸館に生まれ変わりました。インターネットで調べたところ、この建物の建築様式は「簡略化された擬ルネサンス様式」なのだそうです。『ギャラリー三田』を訪れたときよりも、更に夕闇に包まれた時間に通りかかりました。ガイドブックには昼間に撮られた写真が掲載されていますが、夜に見る『金沢文芸館』も素適でした。
『ひがし茶屋街』の中にあった建物です。『自由軒』と建物に書いてあったので、自宅に帰ってから何の建物か調べてみました。すると!なんと!レストランだったのです。1909年(明治42年)の創業以来、受け継がれてきたレストランなのです!『ひがし茶屋街』に行ったその時に、この事実を知っていたとしても、私たちは近江町市場にでたんまりと海の幸をいただいた後でしたから、お腹のスペースは皆無、他に何かを食することはなかったと思います。しかし…『自由軒』、レストランだったのですね…。それにしても…残念!です。ここでお食事をしてみたかったです。
これも素適な建物です。確か…『ひがし茶屋街』からの帰り道に渡った交差点の角にあったと思います。「あっ!素適!」と思い、思わずシャッターを切ったのは良かったのですが、何の建物か全くわかりません。この記事を書くにあたり、ガイドブックやインターネットで手を尽くして調べましたが、残念ながら何のヒントも得られませんでした。シンメトリのフォルム、そして窓の感じなどがとてもシンプル。そして、そこから見える白いレースのカーテン。お部屋の中はどんなふうになっているのだろう…と想像(妄想!?)を掻き立てられます。電信柱があり、電線が張り巡らされた、日本らしい空の下に建つ小ぢんまりとした一軒の洋館。和の中にある洋、洋なのだけれども和をほんのりと伝えるこの建物。とてもエキゾチックに感じるのは私だけでしょうか。
最後は日本家屋をご紹介します。これも上記の洋館と一緒で、気まぐれにシャッターを押した一枚。あまりにも佇まいが素適だったので、建物好きの私としては撮らずにはいられませんでした。ちらりと見た感じではお薬屋さんのようでした。ご家族で経営されているのでしょうか、どうやら1階部分がお店で、2階、3階は自宅として使用されているように見受けられました(勝手な想像…妄想!?です)。それにしても素適な建物だとは思いませんか?
去年の1月に訪れた時よりもお天気が良かったこともあり(私たちの旅では珍しい!)、あちらこちらをブラブラと歩く機会に恵まれました。そしてわかったことは…、素適な建物がとても沢山あること!とても楽しい時間を過ごすことができました。
0 件のコメント:
コメントを投稿