2008/12/27

気になる建物 Ⅲ

私は京都の木屋町を昼間にブラブラ散歩するのが好きです。木屋町と言えば夜の街、もちろん、夜にもそこに訪れたこともあります。夜は夜で楽しめます。しかし私は、活気溢れた夜が終わった木屋町。遊びつかれた人々も、働いていた人々も、それぞれの場所に帰った木屋町。役目を終えた午前中のひっそりとした木屋町。そんな木屋町が好きです。業者さんが出入りしている姿がちらほら見られる、そんな人もまばらなその通りでは、のんびりと猫が身繕いをしていたり、街に住む人たちがお散歩をしていたりします。

そんな、気まぐれな私の木屋町ぶらり歩き、その時に、ちょっと気になる建物を見つけました。どうも小学校らしいのですが、いつ行っても子供の声は聞こえてきません。そこで、前回11月中旬に訪れた際、写真を撮って来る際に、建物の名前をチェック、一度調べてみることにしました。

その建物は間違いなく、嘗ては小学校だったようです。『立誠小学校』と言われた学び舎だったそうです。児童数が減少し、平成5年に他の学区の小学校と統合され、廃校となったとのこと。こんなに素適な学校なのに…と、人事ながら、とても残念に思われます。

この小学校は歴史が古いらしく、もともとは1869年(明治2年)に三条河原町周辺にあった、下京第六番組小学校が始まりなのだそうです。これが1877年(明治10年)に立誠小学校という名前になったとのことです。その後、大正期に火災により消失した為、1927年(昭和2年)に現在地に新築されたのだそうです。

ああ、こんな校舎で学習してみたかった…と思わせる、重厚感溢れる建物。少子化という世の流れの為、仕方ないとは言えども、廃校にならざる得なかった事実がとても寂しく思われました。どうやら現在でも、時にシンポジュウムなどで使用されていることもあるようです。この素晴らしい建物が、取り壊されずにここに存在していることに、心から喜びを感じました。機会があれば、私も是非中に入ってみたい、ここで学んでみたい、と思いました。

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