「浅見光彦シリーズ」、順調に読み進めています。このシリーズの一番古いものでは、初版は1982年ですから四半世紀前に始まったシリーズといことになります。私が可能な限り古い順番に作品を読み進めています。そのようなわけで、最初の方の作品の中には図書館の一般の本棚に置いておらず、書庫に保管されているものもあります。そういった本は非常に読み込まれていたり、埃っぽかったりします。今回、ご紹介するうちの『伊香保殺人事件』、『鳥取雛送り殺人事件』もその類でした。図書館の司書さんが「保存状態があまり良くなくて…」と恐縮されていた程でした。
この『歌枕殺人事件』、ストーリーが複線的で、しかも場面の展開が速くテンポが非常に心地よく、読み出したら途中で止めることができない一冊でした。面白かったです。
浅見家のお手伝い、須美ちゃんがクローズアップされて書かれていた作品でした。私は密かに須美ちゃんのファンですから、ちょっぴり嬉しかった一冊。浅見光彦氏との関係がどうなるのか…など、気にしつつ読んだのですが、いつもの通りの「浅見光彦氏」でした。
オカルト色の強い作品でした。恋に破れた神職に就く女性が狂気と化し、最終的に殺人を犯してしまうという内容でした。「殺人」という「悪」の裏に秘められた、人間の悲しみや切なさを感じずにはいられない一冊でした。
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