2009/02/20

”京&伊多利亜 野菜” 知る!味わう!講座 IN 駒井家

先日、JAF(日本自動車連盟)の会員向けの講座に参加してきました。『”京&伊多利亜 野菜” 知る!味わう!』という講演で、「prinz」で料理長を勤めておられる中東俊文氏が、ご自身のイタリア修行時代の経験を交えながらお話下さいました。

「京野菜」という言葉をよく耳にしますが、どうして京都の野菜に特別な名称が付いているのか、考えたことがなかった私。実際に野菜を見ながらの興味深いお話、吸い込まれるようにして聞き入りました。なんでも京都の地下には、水を通さない岩盤でできた地下水盆があるらしいのです。信じられないことに、そこには琵琶湖ほどの水量があるのだとか。その豊富な水が美味しい野菜を育てているということだそうです。一見、琵琶湖からの水に頼っていそうに思える京都ですが、そんな水瓶を地下に持っていたとは!長年近くに住みながら初めて知りました。また大原などの山に囲まれた盆地では夜に発生した霧が、朝を迎えてもなかなか晴れない為、野菜は地下からだけではなく、空気中からも水分を得ることができます。ですから、より瑞々しく美味しく育つのだそうです。京都の自然に「京野菜」の秘密があったのですね。

一方、イタリアの土地では「京野菜」とは反対に、水に恵まれているとは言い難く、その為か茄子なんかはパサついた感じが拭えないとのこと。ただし、この水が充分でないということが逆にプラスとなり、濃縮した味わい深い野菜を育てるのだそうです。

このように何れの土地でも野菜作りには一長一短があり、この影響が野菜の味に出ることを、面白おかしく教えて下さいました。ですから、中東俊文氏は、ご自身が料理長を務めるのレストランでは、京都とイタリアの両方の野菜を良いところを採用しながら、日本の人々にも受け入れてもらいやすいイタリア料理を目指してお料理されているとのことでした。


このようなお話を聞いた後、「prinz」に移動して、中東俊文氏が腕を振るわれたお料理を頂きました。どれも新鮮な食材の味を存分に活かして調理されていました。また何れの献立にも、イタリア料理の中にチラリと顔を覗かせる「和」が隠されていました。講演の内容とお料理を照らし合わせながら、また、一緒に受講した方々と講演の内容を深めながら、伊と和の融合を見事に実現したお料理に舌鼓を打つ、とても中身の濃い時間を過ごしました。

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