ダン・ブラウン氏の小説を読み終えた後、案の定、抜け殻状態になっていた私、「ああ、次は何を読もうか…」と呟くばかりでした。それを見かねたham君が、「森博嗣を読めば?」と一言。
実は森博嗣氏の小説、私が大学院で修士論文の提出日を目前に控えて日中一日、論文とにらめっこをしていた時にも、「気分転換にでもどう?」と当時、”彼氏”だったham君から薦めて貰ったもの。この時に読んだのは『S&Mシリーズ』とされているもので以下の通り。
『すべてがFになるThe Perfect Insider』
『冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room』
『笑わない数学者 Mathematical Goodbye』
『詩的私的ジャック Jack the Poetical Private』
『封印再度 Who Inside』
『幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic』
『夏のレプリカ Replaceable Summer』
『今はもうない Switch Back』
『数奇にして模型 Numerical Models』
『有限と微小のパン The Perfect Outsider』
上記の本たち、”気分転換”の為の読書だったはずですが、とんでもない!修士論文そっちのけで”ドップリ”と小説の世界にはまってしまった私…。毎晩、小説に読み耽り、何度薄っすらと明け行く空を見たことでしょう…。「論文しなくちゃ…」と思いつつ、「読みたい!」という欲望に勝てない日々、懐かしい思い出です。
さて今回、私が読み薦めているのは『Vシリーズ』と呼ばれているものです。『S&Mシリーズ』を読み終えた後に読んでもよかったのですが、先のシリーズのインパクトがあまりにも大きすぎて、スムースに新しいシリーズを受け入れることが出来ず、放置していたのでした。この様に書くと大袈裟に聞こえるでしょうが、本当に強烈な小説なのです。ですから、『S&Mシリーズ』の印象が和らいできた今ならばと思い、今回のham君の一言に乗ったのでした。そして、またしても”ドップリ”の日々が現在進行形で続いています。今回、写真にて紹介したのは以下の3冊です。
『黒猫の三角 Delta in the Darkness』
『人形式モナリザ Shape of Things Human』
『月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks』
前回、森博嗣氏の作品を読んだ時にも感じたことですが、ミステリの面白さの他に何か哲学的とでも言うのでしょうか、そのようなくだりが本の中の随所に散りばめられており、時にハッと読む眼を留める、そんな瞬間があります。これも森博嗣氏の小説の虜になる一因に思われます。
現在の『Vシリーズ』、あと何冊かあります。読むのがとっても楽しみです。