2週間以上前に読み終わった本です。この本を読んだことがきっかけで、色々と考えました。非常に有意義な一冊だったと思います。私にとって、あまりにも意味のある書籍だった為、なかなか自分の中で思いをまとめられずにいました。
この本は、江國香織さんが各界の著名人に、どのような15歳を過ごしてきたかをインタヴューする形式で書き進められています。何故、15歳なのか。本を図書館に返却してしまいましたので、江國香織さんの言葉でお伝えできないことが残念ですが、確か…、17歳でも20歳でもなく15歳というのは大人になる前のでも子供でもない、そんな微妙な年齢だ、ということを言っておられた様に記憶しています。中学校を卒業する、義務教育を終える15歳。今まで15歳を意識したことはありませんでしたが、15歳は”何か”の節目なのかもしれない、と思うようになりました。「あとがき」の一部で、大変心に残った箇所を以下にご紹介したいと思います。
子供がそのまま大人になったような人、と言う言いまわしがありますが、あれは変だと以前から思っていました。誰だってみんな子供がそのまま大人になるわけで、それはもう単純に事実だと思うからです。一歳の自分も九歳の自分も二十歳の自分も、全部自分の中に潜んでいる、と思うと奇妙な気持ちがします。そういう、自分の中に潜んでいる過去の自分と、人々がどう折り合いをつけているのか、ひどく興味がありました。
私は丁度15歳になる年4月、中学3年生に進学した年に、3年間を過ごしたスイスから帰国しました。スイスに行ったのは小学校6年生になる12歳の年でした。両親からスイスに行くと聞いた日は驚きと不安を隠せず、体を震わせて涙したことを思い出します。ところが行ってみると毎日がとても楽しく、今から思えば日々新しいことを吸収していたのだと思います。たいへんだったのは帰国してからでした。最もたった3年間という短い間でしたが、スイスでの時間はその後の私の人生を変える大きなイベントだったのです。今思えば…ですが、思春期の3年間のブランクは意外にも大きかったと言えます。帰国後、「自分は自分のままでいい」と思うことができず、周りに馴染もうと頑張れば頑張るほどギクシャクし、空回りをし、辛かったことを思い出します。スイスに行く前の私、スイスにいるときの私、帰国してからの私、これからも夫、家族、友達に支えのもと、過去の私と折り合いをつけながら、自分が最も心地よいと思える場を求めて生きていくのだろうと思います。
皆さんの15歳はどんなでしたか。
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