2008/01/29

読書

私は旅行に出かける際、本は必ず携帯して行きます。あれもこれもと荷造りの最中に書籍を選んでしまい、ham君に「持って行く量を考えてね」と窘められるこ ともしばしば。旅の途中の電車の中や、ホテルの窓辺で、カフェで、じっくりゆっくりと読書したいと思ってしまうのです。とは言うものの、言う程にはその様 な時間は多くはなく、持って行った本を全部読破して帰ってくることなど、今までにあったためしがありません。

今回の旅行も例外ではなく、旅先だった東京でも 読書はしました。旅行バックに忍ばせた本は2冊。「浅見光彦シリーズ」の『蜃気楼』と、随分と以前にirisjentaちゃんに紹介して頂いた、須賀敦子氏の『トリエステの坂道』(『トリエステの坂道』は書店で探していたのですが、「取り寄せ」になる一冊だった為、なかなか手に入れることが出来ませんでした。ところが、念の為と近所の図書館で調べてみると、なんと!あっさり見つかりました)。荷造りの段階で、たぶん1冊だって読みきってしまう時間は取れないだろうな…との予想はあったのですが(何分、私は読むスピードが遅いですから…)、今回はham君の助言も空しく、誘惑に負けて2冊も持って行ってしま いました。鞄の中に本が入っていると、私はなんとはなしに心躍るのですが、皆さんはそんなことありませんか。そして…結果、結局、やはり1冊でさえも読み きることはなく、自宅に辿り着いたのでした。

そんな東京旅行を終えて帰宅してから今日までの間、読みかけだった本を紐解いたのをきっかけに、まるで活字に飢えていたかのように、とっかえひっかえ読書を してしまいました。前述の通り、決して満足行く程とは言えないまでも、東京でも読書はしていましたから、そこまで活字が恋しかったわけではないのですが…。なぜでしょう。春に向けて!?急に本の虫が騒ぎ出したのでしょうか…。

読書の合間に、いとこのAちゃんを訪ねたり、テニスの仲間とのお食事会に参加したりと、多少は社交的な行動をとった日もありましたが、それ以外は文字通り自宅に籠もり、本とニラメッコ。合計、6冊、うち1冊は517ページもある大作を読みきり、図書館で借りて来た本も底がついてしまいました。

いくら本が好きな 私でも、こう次から次へと留まるところを知らずに読んでしまうことは稀で、正直ビックリ!あまりにも本の世界に入り浸ってしまい、現実の時間の流れについていけていない感じがしている現在です。

読んだ本の殆どが、ご覧になってお分かりのように「浅見光彦シリーズ」で、ミステリー小説です。しかし最後に読んだ一冊だけは、少々趣向の異なる本でした。須賀敦子氏の『トリエステの坂道』。 須賀敦子氏、ご自身の過去を紐解いて綴られたエッセイでした。若くしてイタリアに学び、イタリア人男性と結婚、最愛の夫との死別、そして母国日本への帰国。その後も縁が続く亡き夫の家族とのやり取り。かつてご自身の過ごされたイタリアを、そこでの日常を、最愛の夫とその家族との日々、これらが丁寧に、また、選 りすぐられた日本語で語られていました。1ページに収められた文字数も多く、一見で圧倒されてしまいそうな1冊なのですが、読み始めると須加敦子さんの言葉の一つ一つにまるで吸い込まれるようにして、文字通り、あっと言う間に読み終わってしまいました。感想は…と書きたいところですが、あまりにも濃厚で層が厚く、とても言葉にはできない、と言ってしまえば逃げるようですが…、これが正直なところ。読み終えた後、心が空洞になり、分けもなくじんわりと涙が出て来る、そんな本でした。この 様な本に出合えたのは本当に久し振りで、ご紹介頂いたirisjentaちゃんにはとても感謝しています。是非、手元に置いて何度となく読み返したい一冊です。

「ねずみグッズ」。
キーカヴァーとでも言うのでしょうか。
カピバラさんグッズの一つです。
前回?前々回?東京を訪れた際に
コンフォートホテル隣のファミリーマートにあるガチャガチャ
この中にカピバラさんグッズを見つけてしまい
散財する運びとなったのでした。
といっても、大した額ではありませんが…。
しかし、こうやって塵は積もって山となる…。

0 件のコメント: