就職した頃からでしょうか、毎年、この季節になると「花灯路に行きたい」と言い続けてきました。しかし、寒かったり予定が合わなかったりで、なかなか機会に恵まれませんでした。今年はその『花灯路』を、漸く訪れることができました。当日は、夕方になり日が落ちると、冷えてくるのに加え風も強くなりましたから、想像以上に体感温度が低く感じられました。しかし、せっかくのチャンスと思い、気合を入れて一路、会場に向かいました。
会場に近付くと共に徐々に人が増え、歩道ではお互いにすれ違う際に気を遣い合う程。着物を着ている人、大きなカメラを持つ人、カップル、卒業旅行のグループ、海外からの観光客の方々、日本各地から旅行で来た人々、そして近所の住人の方と、本当に色々な人たちが大勢集っていました。
さて肝心の灯り。光の洪水といった風景を期待していった私には、少々拍子抜けのところがありました。道の両側に灯っている灯りも、ディスプレイされた作品も、思ったよりも灯の数が少なかったと言うのが本音(もう少し別の場所を散策したら、違ったのかもしれません)。灯りよりも人間の数の方が多く、この人たちが夫々に携帯電話で写真を撮る際に、フラッシュを光らせる為というのも、そう感じた原因かもしれません。そのような行為のお陰で、灯りが織り成す風情は台無し。しかし、それでも美しい箇所は無条件に美しく、寒くなかったら暫し見入っていたいと思うものもありました。
そのように、落胆を隠し切れずに歩を進めていた私。思わず「なんだか思っていた感じと違った…」とham君に感想を言いました。これを聞いたham君は、「えっ!?」と上擦ったような声を出し、大きく肩を落とすではありませんか!そんな彼を怪訝に覗き込み、訳を聴いてみた私。本当に申し訳ない思いでいっぱいになりました。今回の『花灯路』行きの計画は、ham君のたっての希望とばかり思っていましたが、どうやらham君は私の為を思っていてくれたようなのです。私が以前より行きたいと言っていたのを覚えていてくれ、この願いを叶えるべく予定を立ててくれたのだそうです。そんなこととも知らずに私ときたら…正直に感想を述べてしまって…。大きく溜息をつくham君の横で、私は深く反省をしたのでした。ham君、ごめんなさい。ありがとう。
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